■代表あいさつ

「PORT構想」代表 川端政子

合同会社モノサポで「PORT構想」を担当している川端政子です。その他にMDファクトリーHS株式会社/株式会社IMDワークスの代表も兼任しております。

いきなりですが、私は「仕事」が大好きです。「仕事」とは多くの方のお役に立つこと。

パートの事務員として町工場に入社したことがきっかけで、製造業で営業をするようになり、気づけば自分で会社を立ち上げていました。これまで製造業の方々のお役に立つ事を念頭に様々な事業を企画し、取り組んできました。その経験から見えてきた日本の未来。その一助となるため、数年前から「PORT構想」を考えていました。

「PORT」という場所を作るだけではなく、多くの方に知っていただきたいです。



■「PORT構想」をはじめようと思った理由

川端は「monozukulink.net(モノヅクリンク ネット)」(以下、モノヅクリンク)という活動を始めて10年が経ちます。

モノヅクリンクは2011年の震災をきっかけに、地域を超えて顔が見えるリアル連携を模索しようと日本各地の異業種交流会や業界団体などのグループ(おもに製造業団体)を民間主体で繋げる(リンクする)ことにより活性化しようとスタートしたプロジェクトです。そして今年10周年を迎え30回以上のリアルな連携イベントが開催されてきました。

 

私が10年間でリアル連携を模索しつづけた結果見えてきたことは、イノベーションは一企業だけで起こすのは様々なしがらみだけではなく時間、お金が非常にかかり、自社の事業を運営しながら社長が一人で起こすものではないということでした。

 

モノヅクリンクの活動を通じて、連携の大切さ有効性に気付いた人々が中心となり、 地域に新たな連携組織が生まれていきました。また、日本各地の様々な概念を持つ地域団体や行政組織、教育機関等と地域の垣根を超えて繋がりが生まれ、 日本全国で新しいプロジェクトが起こっていきました。

 

■団体には概念があり、その概念(価値観)に合う人が集まっている。

■団体は地域を支援している。

 

これが理想の連携からイノベーションを起こすベースになると私は考えています。

 

モノヅクリンクでの活動から製造業だけではなく、その他の業種でも同じように団体が生まれる場所を作ることで地域が活性するのではないか、その団体がリンク(連携)することで新しいコトが全国的に生まれるのではないか?これにより日本の産業をもっと発展させられるのではないか?そう考えたのです。

 

そして取り組みを始めようと動き出しましたが大きな地域課題に直面しました。

地域のコミュニケーション不足です。

 

WebやSNSでの情報発信の場は10数年の間に大きく広がりました。多くの企業が情報発信していますがその反面、WebやSNS頼りになり、生きた情報を届けることができていないと感じています。また、地域でのコミュニケーション力が薄れていて人と人の繋がりも希薄になっています。「交流」について調べてみたところ、このような結果が。

 

 

<地域のコミュニケーション課題>

 

■悩みを気軽に相談したり集まる場所が減少している。

■SNSやITの発達、更にコロナ禍によりリアルの不足による希薄な人間関係の中で育つことでコミュニケーション力が低下した 若者が増加。

■日本は主要7か国の中でもTOPクラスの自殺者増加傾向(20代や30代における死因の第1位が自殺)

■人間関係の自由化による開放感が、いつしか不安感へと変化、人間関係の格差が顕著な時代に突入。

■家族以外との交流がない社会的孤立人口の割合が国際比率でみると日本は断トツワースト1

 

 

昔は喫茶店や商店街の一角など大人も子供の集う場所があり、そこで人と人の繋がりが生まれ、地域の繋がりが生まれ、コトが起きていました。

 

商店街のお店と同じように企業も地域に根差すにはどうすれば良いか?WebやSNSだけではなく原点に立ち返り、人が集うことから繋がる、情報発信の場所を作ることが地域貢献、地域発展、企業発展につながるのではないかと考えました。

 

中小企業はWebを使った情報発信が苦手です。しかし、Webではなくリアルに発信できる場所「PORT」を作ることで地域の人に知ってもらうことができ、地域全体でリアルな交流が生まれます。

中小企業はなんといってもスピード感が違います。北摂PORTの事例にあるように「決めたら即行動!」このスピード感がある場所に人が集まることでたくさんのイノベーションを起こしたい!そう考えて生まれたのが「PORT構想」です。